2013年10月13日日曜日

春の楓 秋の紅葉

今ではあまり気にも留めなくなった「季語」
俳句や和歌に出てくるぐらいですよね。
それも俳句を詠むのを趣味にされてなければ、日常生活ではあまり
触れる機会のないもの。

でも、日本人は古くから歌を詠んだり、着物の柄や色合わせに、この季語、季節感をとても大切なものとしてとらえてきました。
それは日本が如何に四季の彩り豊かな土地か、日本人が自然をどのように見つめてきたかを表してもいると思います。

今日は日本の季語にまつわるお話で、ちょっと目からうろこのエピソードがありました。


着付け教室に、自前の小紋を着て行ったのですがそれがこちら↓
黒地に扇、菊や梅に松、牡丹などの様々な植物がちりばめられています。
パッと見た感じの色合い的には冬に着るのが良いのではないかと感じました。
でも、紅葉があるから秋でも良いはず、と思って着てみることにしました。


着付け教室について、先生に
「綺麗な小紋やね~」と声をかけていただきました。
この時期に着て良いのかわからないけど、紅葉があるからと答えてみると、

柄からは袷の時期(この着物は袷です)なら通しで着れると教わりました。
もちろん牡丹は冬だし、紅葉は秋、では春は?

紅葉と同じ形で緑色のものが描かれていたのですが、これを指して先生が
「これは楓やから春でもいけるよ」とのこと。
なんと、紅葉と楓、着物の柄には色が違うだけなのに、こうして別の植物を表現していたのですね。

たしかに調べてみると、楓は春の季語でした。
緑の様が春らしいでね。

日本人は、歌や着物などに季節を織り込んできました。
一見同じ植物でさえ、実と花で別の季節を表すものもあります。
四季の彩り豊かな日本で、日本人は自然とともに歩んできたんだなあって
とても感慨深く思いました。


そんなこんなで、今日の小紋は季節問わずに着れる優れものであることが
判明しました☆
素敵!!


一見すると、とても派手な柄だなと思ったのですが、
雪輪のシンプルな白の名古屋帯と合わせると、意外にすっきり着れることも分かりました。


楓と紅葉 今日は季語の奥深さに触れることのできた
着物日和でした。

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